「古畑任三郎」は犯人説得の前夜、何を考えていたのか?

 勝てる恋愛テク

■ 田村正和さんが死去
昨晩のニュースで驚きました。独特の芝居で世界観に引き込まれる演技でしたので残念です。ご冥福をお祈り申し上げます。

■ ドラマの話
一晩中ひとり、じっと部屋で考え込む。眉間にシワを寄せ、窓の外を眺めながら何かに思いを馳せるように。セリフはなく、数十秒にもわたる地味な静止画のようなワンシーンなのですが、その険しい表情に吸い込まれるように思わず多くの人が見入ってしまう。刑事ドラマシリーズ「古畑任三郎」を熱演した俳優の田村正和さんがお亡くなりになりました。田村正和さんの名演技を目にし、今だなお、深く印象に残っている方も多いでしょう。

刑事「古畑任三郎」といえば、言葉巧みに犯人に近付き、心を掴み、嘘を暴き、そして自供させ、逮捕に至る過程が見物でした。その過程で、どうすれば犯人の嘘を暴けるのかを試行錯誤し、さまざまな仕掛けや問い掛けで犯人の心を揺さぶっていくわけですが、時に図々しく、時に思いやりある古畑任三郎の振る舞いに多くの視聴者が心を奪われました。そんな名演技を披露した田村正和さんですが、古畑任三郎という人物を理解し、とるべき振る舞いや表情をどう表現するかは、一晩中とまではいかずとも、おおいに悩んだことでしょう。

私たちも人への振る舞いや表情、言葉に対して、特に重要な要求を通したり、言い難いことを引き出したりする時、ある程度考えるかも知れませんが一晩中とまではいかないでしょう。そのこだわりのなさが、軽率な振る舞いや言葉、真剣みのない表情として現れ、結局相手の心に響かないことも多々あるでしょう。

「どうすれば相手の心を開くことができるのか?」「相手はなぜそんな行動をとったのだろうか?」そんなことをとことん突き詰め、深く考えたことはあるでしょうか?自分自身を演じるとしたならば、どんな言動が効果的か知恵を巡らせたことがありますか?

「古畑任三郎」の犯人説得の前夜のワンシーンに、田村正和さんの俳優としてのこだわりと「古畑任三郎」という刑事の真の人間像が垣間見える気がします。
(記事:スタッフ)

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