車で尾行するのは非常に難しい

 業界裏話スタッフ

車尾行の練習
■ 車の尾行
先日、新人スタッフのTさんが「車尾行をもっと勉強したい」と申し出がありました。なので私の仕事が終わるのをずっと待っていたのですが、その取り組む姿勢が良いですよね。教える側も時間を気にせず徹底的に伝えたいと思うので、非常に印象の良い行動だと思います。

では、「尾行」と言うのはどんな種類があるのか?
こちらから説明させて頂きます。

<対象者の行動>
① 徒歩(バス、地下鉄など)
② 自転車
③ バイク
④ 車

<調査側の行動>
① 徒歩(バス、地下鉄など)
② 自転車
③ バイク
④ 車

この中で最も多いのは「対象が徒歩、徒歩で尾行する」です。
大阪だとこのパターンが主流ですが、神戸・京都になれば少し違ってきて「対象が車、車で尾行」が増えてきます。郊外に住んでいる方、和歌山県・大阪府の南部北部でも車の移動が主となってきます。また、土日の休暇日に尾行すれば高い確率で「車デート」ですからね。追跡テクニックは徒歩+車で高めないと多くの現場を対応することはできません。

ちなみに、最も難易度が低いのは「対象が自転車、自転車で尾行」です。逆に最も難易度が高いのは「対象がバイク、車で尾行」となります。
これは加速の違いもありますが、渋滞時に側道を走られると車では付いていけませんからね。
原付・自転車に多いのが、その日・その瞬間のタイミングでルートが変わるので同じ経路で移動しない方が多いです。このケースでは難易度が高くなりますよ。

● 車尾行の難しさ
車で移動する対象者を尾行するのは、非常に難しいのですが理由はですね。
以下となります。

・バックミラーで後ろが見える
・ルームミラで後ろが見える
・信号
・渋滞
・ライト
・ブレーキランプ
・メーターなどの明かり(車内が見える)

例えば、心斎橋・本町を車で尾行すると「渋滞・信号」が見失ったり、対象にバレないかな?と調査側が不安なる部分です。これが和歌山県南部(御坊・南紀)だと動線が42号線や阪和道と限られますし、夜間は車が少ないので追跡側の車が目立つことが挙げられます。弊社に限らず、探偵社のベテラン調査員だと難しい環境でもバレず・見失わずに追跡できますが、やはり経験の浅い方には「反復練習」を繰り返さないと上達しないですからね。空時間に沢山尾行することが良いと考えます。
ただ、単純に尾行するだけでは中々上達も遅いので、スピードUPで技術力を高めるには「尾行されること」が最善です。自分が尾行されることで、どんなシーンだと追跡者の存在に気付くのか?、車の尾行で気付くタイミングとは?が理解しやすいと思います。
その為、弊社では「尾行されること」も研修として取り入れてますよ。

■ 過去事例
彼女の浮気を別れさせたいとの依頼から、彼女さんを尾行すると男性(車)と合流。
高速道路にて、対象者を追跡中に後ろから覆面パトカーがもの凄い勢いで抜いて行きました。その時には対象者が…。そして覆面のリアガラスには「続け」と警告が点灯。速度違反で対象者が捕まったので、尾行車は追い抜かして次のPAに向かいました。数分後に覆面パトカーに連れられた対象者の車がPAに現れる。
運転席には落ち込んだ男性を確認したので、高画質で撮影しますよね。この後、どうするのかな?と様子を見ていたら、イライラした男性が彼女さんトイレ前で喧嘩を始めました。
会話を聞くと…

<男性>
「急げって言うから飛ばしたら捕まったわ」
「もう点数ないのに」
「あ~イライラする」
「こっちは嫁と子供に嘘ついて出てきてるのに」

<女性>
「…..。(半泣き)」

こんな感じで一方的に男性が切れて、結局は高速道路を引き返して地元に帰っていきました。その後、女性を最寄り駅で降ろして「バイバイ」もせずに飛ばして帰る。
愛情を感じない男性ですよね。
この状態から彼女さんは「上司に都合よく利用されている」として、別れさせ作業をせず彼氏であるお客様の接し方をアドバイスすることで浮気は自然消滅となりました。
浮気・不倫の関係だと、何らかの出来事にて本音が垣間見れるシーンがあると思います。その時に冷める事が出来れば無駄な時間を使わずに済むのですが、それでも愛したい・愛されたいと思えば我慢する女性は多いです。
解決するには、浮気が別れることも大切ですが、その身内である彼氏の誘導(接し方など)が彼女さんの気持ちを動かすのだと思いますよ。
(記事:URAKAMI)

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