和歌山城で歴史と心の移り変わりを考える

 地域別

夏を代表するような俳句と言えば、古文の心得のある方だと…。

「夏草や 兵どもが 夢の跡」
(なつくさや つわものどもが ゆめのあと)

この句を思い浮かべるかも知れませんね。
江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉が奥州平泉(岩手県南西部)を訪れた際。高館に登り見渡すと、平安時代に東北で勢力を張った奥州藤原氏の栄華の痕跡はなく、ただ夏草が茂る風景だったのを見て、詠んだと言われています。

松尾芭蕉は続いて、中尊寺を訪れ、
「五月雨の 降り残してや 光堂」
(さみだれの ふりのこしてや ひかりどう)

という句を残しました。光堂とは金色堂のことです。あらゆるものを朽ち果てさせる五月雨も、光堂だけは500年経っても美しさを残してくれている。このよう詠んだそうですね。

戦(いくさ)が絶えなかった武士の時代からの歴史的建造物に目を向けてください。栄枯盛衰など時代が移り変わりが見えてくるでしょう。中でも、豊臣秀吉が築城し、豊臣氏、徳川氏などが城主を務めた大阪城。ここには、観光やお花見で1度は訪れたことがありますよね。大半は、焼失しまいましたが、天守は再現され、豊臣氏、徳川氏の時代を偲ぶことができます。

もう1つ豊臣氏、徳川氏と縁の深い城として「和歌山城」があります。徳川幕府時代は「南海の鎮」として西国支配の拠点となっていたそうです。現在は復元された天守閣のみとなっていますが、掘に掛けられた「御橋廊下」や当時の絵図などから藩主の政務、生活の場であった「二之丸御殿」が想像できます。海上から見ると猛虎が伏している姿に似ているそうで、「虎伏城」と呼ばれています。なので、遠方から眺めるとまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。

梅雨が開け、夏草が生い茂る城跡に、過去の栄枯盛衰を越えて受け継がれる古人の軌跡。天守閣・城壁・庭園の美しさは、歴史と共に研ぎ澄まされ、訪れた人々の心に記憶となって刻まれます。お城に限らず、寺院、庭園などの歴史的建造物を、春夏秋冬の各季節に訪れてください。恋人や身近な人の心の移り変わりにも、もっと敏感になれるかも知れませんよ。

最近はスマホが撮った画像を自動で整理してくれる機能もありよね。「1年前の今頃何してたかな?」と検索すれば、当時の心境を振り返ることもできるのです。恋人とのツーショットで背景に歴史的建造物を入れると、1年後・10年後に「暑い中、汗だくで行ったね」と思い出が甦ると思います。

■ 補足の話
恋愛コンサルタントでは「遠方デート」を強く推薦しています。
意味はですね。
自宅、会社は見られた空間により「現実空間」と言えます。
ですが知らない場所だと?
現実離れした「仮想空間」により出来事が思い出となりやすいのです。
例えば以下のシーン。

・旅行中に風邪で倒れてしまった。
・ドライブ中にタイヤを溝に落としてしまった。
・温泉に行ったら更衣室で財布を盗まれた。
・ノープランで白浜に行ったら「満室」で車中泊した。

これらの出来事は、その場・その瞬間だとイライラしてますよね。だけど、1年後・2年後になって考えると?楽しかった思い出として「印象」に残っているのです。これが現実空間である地元で起きたトラブルだと…悪い印象のまま。思い出とはなりにくいじゃないですか。この意味から遠方デートを推薦しているのです。

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